では、英語を使うビジネスの現場ではどうだろうか。海外企業を買収してマネジメントするために現地に赴く場合、次のような英語力が必要になる。
【話す・聞く】
【書く・読む】
英語の議論をする前に、これらを日本語でできますか? と問いたい。ビジネスを遂行するためには、相応の日本語能力が必要になる。これを過小評価してはいけない。
われわれは日本人であって英語ネイティブではない。ベースとしての母国語のコミュニケーション力を駆使しながら、それを英語に転換してビジネスをしていくのである。
そもそもどんな状況で英語を使うのだろうか? それは、日本語の文化圏にない相手とコミュニケーションをして、何らかの目的を果たさなくてはならない時だ。海外でのビジネスはその典型である。日本人であれば当然理解できるコミュニケーション上の文脈や、「読むべき空気」が通じない。そんな相手に対して、自分の意図を伝え、目的を達成するためのツールが英語(外国語)なのだ。
実際、海外でビジネスをする際に必要となる能力のウエイトは、話す=聞く>書く>読むという順序である。しかし、中学・高校・大学の10年間において、「自分の意図をなんとか英語で相手に伝えて目的を果たす」というトレーニングをする機会はほとんどない。入試には合格できても、ビジネスの現場では使い物にならない理由はここにある。
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