ドバイの「スシロー」は1時間待ちの日も! 海外進出を続ける外食大手が狙う“コロナ後”の世界長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)

» 2022年02月02日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

日本の焼き肉が海外に

 イートアンドグループの「大阪王将」は、ラオックスと合弁会社を設立し、21年9月25日に中国初進出の店舗を上海にオープンした。

大阪王将の中国1号店、上海の南京東路店(出所:リリース)

 新店舗「OSAKA FUN DINING 大阪王将 南京東路店」は、日本の大阪王将とは趣向を異にする。大阪の「食」の楽しさを体験できる空間をつくり、高級感がある中にも、活気あるオープンキッチンを採用。ラーメン、ギョーザのほかに、串カツ、ソース焼きそば、すき焼きなどをそろえた。大阪に来れないコロナ禍の状況でも、現地で大阪に来たような気分に浸れる店になっている。

中国の大阪王将のメニュー。大阪の食を強調(出所:リリース)

 イートアンドは大阪王将だけでなく「太陽のトマト麺」などアジアで33店舗(21年5月末時点)展開。成長著しい中国本土で、爆買いならぬ爆食を狙っている。

 「焼肉ライク」を展開するダイニングイノベーションは、21年11月24日、タイ初出店の店舗を首都バンコクにオープンした。新店舗「Yakiniku LIKE Central Plaza Ladprao店」は開店前から100人が並ぶ盛況だったという。席数は72席。FC企業は、香港のMaxim's。

焼肉ライクのタイ1号店(出所:リリース)

 価格はカルビセット200グラムが259バーツ(約894円)。

 日本の焼肉ライクは18年に誕生。海外(台湾)に進出したのは19年5月だ。台湾5、香港6、インドネシア7、シンガポール4、中国1に加え、今回のタイで24店。同社グループの海外店も米国、英国、カンボジア、フィリピンを含め100店に到達した。

焼肉ライク、タイでも非接触の1人焼肉スタイル(出所:リリース)

 海外の焼肉ライクは、その後も出店が続き、29店(22年1月11日現在)となった。国内の「焼肉ライク」も71店(同)と急成長中で、国内外合わせて100店となっている。

 ワタミも焼き肉「かみむら牧場」を、20年11月に台湾にて出店。21年12月には香港に出店している。かみむら牧場は鹿児島の和牛生産業者、カミチクホールディングスとの合弁会社であるワタミカミチクが運営する。焼き肉食べ放題の業態で、日本でも7店まで増えた。

かみむら牧場の香港店舗(出所:リリース)

 日本では100店舗を超えた「から揚げの天才」も、21年7月に上海に出店している。

 従来より、同社は「居食屋 和民」などを近隣のアジア圏に出店し、海外店は49店(21年9月末)となった。国内のコロナ禍におけるブランド再編で、海外に重点的に出店するブランドも変わった。

から揚げの天才の上海出店をアピールする、ワタミの渡邉美樹氏

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