最短30秒で洗える「超音波食洗器」が2億7000万円以上の支援! 何がスゴいのか日本向け製品が誕生(3/5 ページ)

» 2022年02月03日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]

10年の歳月をかけ、日本向け製品が誕生

 ザ・ウォッシャー・プロは、ブランド社が超音波技術に特化したテクノロジー企業と協業し、1年間かけて開発した。ただし、前身となる製品はそれ以前から存在しており、最初に開発が始まったのは2011年頃だという。約10年の歳月と1億6000万円の研究費をかけ、6回のモデルチェンジを経て、最新版が誕生したそうだ。

 「そもそもの発端は、当社の代表である結城哲が食器洗いに課題を持っていたことでした。妻と食器洗いでもめたことから、素早く洗浄できて、食器以外のものも洗えるような製品が欲しいと探し回ったのですが、国内では見つからなかった。視野を広げたところ、中国で超音波食洗機が流通していることを知り、日本向けに展開できないかと考えたんです」(担当者)

 実は、超音波食洗機自体は以前から国内に存在していたが、ビルトインタイプの業務用しか出回っていなかったという。業務用の強力なパワーのまま、家庭でも使えるよう小型に改良したのが、中国で発売されていたザ・ウォッシャー・プロの前進となる製品だった。そこで、ブランド社の結城氏が共同開発元に日本展開を持ちかけ、協業が実現した。

10年かけて1代から6代までモデルチェンジ

 「共同開発元の企業は、超音波技術において中国で特許を取得しています。4代目までは、その企業が家庭で安全に使えるように小型化を実現してきました。5代目以降は当社が開発に加わり、よりスタイリッシュなデザインにモデルチェンジ。6代目は、初の日本国内向け製品です」(担当者)

 最新製品は、日本の狭いキッチンでも使えるよう、より小型になったほか、設定項目を最低限に絞りワンボタンで利用できる工夫もされている。

 「5代目まではパワーと稼働時間を細かく設定できるのですが、家庭ではひんぱんに調整しないだろうと考え、『食器』『海鮮』『青果』の3つのボタンをメインに、必要に応じてパワーや時間の設定ができる仕様としました。食器などをセットしてワンボタンで洗浄が始まるので、設定のストレスが削減します」(担当者)

 ブランド社は、ザ・ウォッシャー・プロで使用されている超音波技術において日本国内の特許を取得中だ。

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