森本: 冒頭で話したTPOという面で、商品の見た目からしていかにも“痛バッグ”ではなく、あくまで「通勤しているビジネスパーソンのためのものですよ」という顔をしておきながら実は……という部分がポイントです。
大嘉: 開発段階では、社内のデザイナーも交えてさまざまな形状を作りました。最終的にどのような見た目にするか本当に悩みました。仕事モードになっていない“オタクモード”時の見た目をどうするかによってユーザーが変わってきます。
例えば、オタクに振りすぎたデザインにすると、当社が狙っているユーザーではなくなってしまい、せっかく搭載した機能も無駄になってしまいます。「推し活をしているビジネスパーソン」にしっかり刺さるよう、最終的には主張しすぎないシンプルなバッグに仕上げました。
ネーミングも、構想段階では「エレコム初の痛バッグ」としてガンガン押していこうという案もありました。ただ、当社が持っている販路はビジネスパーソンの目に触れる場所が多いため、当たり障りないように聞こえて、実は“お仕事”と“推し”がかかっている「推しごとバッグ」を採用しました。
――気は早いですが、今後の展開などは検討していますか?
大嘉: 私の中で今回アイテムは、あくまで第1弾の位置付けと考えています。「こういった機能がもっとあればいいのに」「こういう持ち方のバックも追加してくれよ」といった反響や、「推しの色にあわせたモデルや色が欲しい」などの要望もありますので、その声をすくい取った第2弾はぜひやりたいなと思っています。
ただ、最後は上の判断になるので、ぜひ森本リーダーにOKをいただきたいのですが……(笑)
森本: ネットの反応を見て気付いたのですが、通勤時はもちろん、例えば家からイベント会場に到着するまでの間、「痛バッグだとちょっと恥ずかしい」といった声があったのは新鮮でした。仕事と週末のオンオフだけではなく、“二面性”というキーワードは結構面白いと思って、もうちょっと可能性はあるなって思います。
大嘉: 今、推しごとバッグのように、スイッチングできるバッグは世の中にほとんどありません。このバックを背負っている人が、例えば名刺みたいに、バックのふたを開けて「私こういうものです」みたいな感じであいさつをし合う世の中になればうれしいと思っています。
(終わり)
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