たった半年で株価が半額……TikTok攻勢にFacebookはついに“オワコン”か?古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(3/3 ページ)

» 2022年02月18日 07時00分 公開
[古田拓也ITmedia]
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メタは「バリュー株」に落ちた

 メタは、Google・Apple・Amazon・マイクロソフトと肩を並べて「GAFAM」といういわば「グロース株の殿堂入り」ともされる存在だった。グロース株の特徴といえば、なんといっても「PER(株価収益率)の高さ」だろう。Amazonの株価に対する一株あたりの利益の倍率(PER)は足元で48.62倍となっている。

 S&P500の平均的なPERが20倍であることから、それよりPERが高い銘柄は「グロース株」、低い銘柄が「バリュー株」といった具合に大別されるが、メタのPERは16倍と、GAFAMはおろかS&P500との比較でも小さい。つまり、メタはもはや「グロース株」ではなく、「バリュー株」と認識されているといってよい。

 同社の売上高自体は、前年同期比で20%増の336億ドルと、一見好調なようにも見える。しかし、広告主からの広告出稿料が売り上げのほとんどを占めていることを看過してはならない。この売り上げは、広告主がFacebookのユーザー数についての情報がない状態で広告費をかけていた時期に発生したものだ。

メタの四半期売上高推移。前年同期比で20%成長と、高成長を維持している

 DAUの減少が広告費の減少という形で現れてくるのは、その情報込みで広告主が広告出稿の可否を判断できる今月からということになるだろう。

 グロース株は、仮に黒字幅が小さかったり、赤字になったりしても、いわば「投資家に夢をみせる」ことで時価総額が高く評価される傾向がある。仮想空間にメタバースというもう一つの地球を作り、そこの支配者となれば、広告業者にとっては既得権益の全くないフロンティアとなるだろう。

 しかし、Facebookがバリュー株の位置にいる以上は、投資家の夢はもう醒めてしまったといっても過言ではないのかもしれない。

筆者プロフィール:古田拓也 オコスモ代表/1級FP技能士

中央大学法学部卒業後、Finatextに入社し、グループ証券会社スマートプラスの設立やアプリケーションの企画開発を行った。現在はFinatextのサービスディレクターとして勤務し、法人向けのサービス企画を行う傍ら、オコスモの代表としてメディア記事の執筆・監修を手掛けている。

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