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クラファンでバカ売れ! 売れるほど赤字だったライト一体型プロジェクター「popIn Aladdin」誕生秘話家電メーカー進化論(2/9 ページ)

» 2022年02月22日 07時00分 公開

ウォークマンに憧れて、日本への進学を決意

 程氏は中国河南省で生まれた。1980年代から90年代に中国で少年時代を過ごす中で憧れたのがソニー製品だった。中学生の頃に読んだ雑誌に載っていたウォークマンの広告。それが程少年の心をつかんで離さなかった。

 「記事をじっくり読んで全部覚えるほど、ソニー製品が大好きでした。ただ、非常に高価だったので、当時の中国人の収入ではなかなか手が出ません。私も我慢してソニーのラジオを買いました」(程氏)

 高校卒業するとき、程氏に大きな人生の分岐点が訪れる。中国国内の統一大学入試試験(日本での大学入学共通テストに相当)で実力を発揮できず、大学に落ちてしまう。1年浪人するか悩んでいたとき、親戚から「日本に留学するルートがある」といわれ、元々日本への憧れがあった程氏は日本に来ることを選ぶ。

 18歳で訪日し、大阪にある日本語学校に通ったあと、東京工業大学の情報工学科を経て、東京大学大学院情報理工学系研究科の創造情報学専攻へと進学する。

 そして程氏は大学院在籍中の07年、Web記事の単語を選択すると、関連する言葉の意味を検索して、閲覧中のページから離脱せずにページ内で表示できる「popIn」というWebサービスを開発して、特許を取得。翌年、popInを株式会社として立ち上げた。

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