スーツ需要が減少する中、紳士服大手も高機能でありながら価格を抑えた商品の投入を進めている。昨年の大ヒット商品となったAOKIのパジャマスーツのほか、洋服の青山は上下セットで1万円を切る「ゼロプレッシャースーツ」を販売。
はるやま商事が展開するPerfectSuitFActory(P.S.FA)では、手頃な価格で、サステナブルこだわった「TOKYO RUN×サスビズ セットアップ」などを展開している。(関連記事)
いずれの商品も、長年培ったスーツづくりの技術を生かし、ビジネスパーソンの声を基に商品開発した点が特徴だ。
このうちAOKIは「リモートワーク時の服装に困る」といった声を基に、21年2月に「アクティブワークスーツ」を発売。これまでに累計で2万5000着を売り上げた。同商品では、風合いとストレッチ性を重視したオリジナル素材を採用し、パンツは座っていても快適なウエスト伸縮仕様とした。また、ECで購入しやすくするため分かりやすいサイズ構成や価格設定にこだわった。
今年1月には第8弾モデルの予約販売を開始。第2弾モデルに比べ約25%の軽量化を実現し、ジャケットの重さは同社史上最軽量の約300グラムとした。価格は上下セットで5970円。
また、パジャマスーツからも、消臭機能を搭載したり計量化を図ったりした春夏向けの商品を展開している。
もちろん、従来のスーツやフォーマルウェアの需要が完全になくなることは考えにくいが、ワークスーツはトレンド商品から“定番アイテム”になりつつあるといえる。
WWSを展開するオアシススタイルウェアでは、企業のユニフォームや学校の制服として導入してもらおうと法人営業に力を入れている。また、AOKIもパジャマスーツの訴求を進め、今後3年をめどにカジュアル領域で年間売上高100億円を目指す方針を打ち出している。
ビジネスウェアのカジュアル化が進む中、業界を支える新たな顔としてワークスーツの需要をどこまで取り込めるか、今後の動きにも注目だ。
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