しまむら本体でも、このJBの取り組みが応用されている。代表的なJBが「SEASON REASON(シーズンリーズン)」で、宝島社が発行するファッション誌「InRed」との協業ブランドになる。このSEASON RESONの売り上げも好調で、現在JBによるの取り扱いブランドも拡大しており。今日のしまむら好調の要因のひとつでもある。
バースデイから始まったJBの成功例は、今まで「安さ」を最大の売りにしてきたしまむらグループに専門店的な感度と世界観を持ち込む要因となった。
言葉にするといとも簡単に聞こえるが、これを成し遂げて維持継続することは並大抵ではない。
これまでも、買い求めやすい価格帯を自前で目指しながらも、自店の立ち位置や主要顧客を見誤り、生活者からの支持を失っていった企業がたくさんある。しまいには自社開発を断念し、テナント誘致で売り場を埋めていく……。
目指した企業が決して怠慢だったワケではないと思うが、目指す方向性が違うと努力は報われないのも事実だ。
バースデイの成功にはタイミングという不可避な要素も含まれているだろう。それはナチュラルテイストのベビー・子ども服が、長らく「専門店の領域」として見なされていた事にも起因する。
しかし、ファッションにはトレンドが「大」なり「小」なり生まれてくる。またファッション・トレンドの軸が動いた時に、きちんとそのトレンドに呼応できるのか。その時に真価が問われることになると思う。
磯部孝(いそべ たかし/ファッションビジネス・コンサルタント)
1967年生まれ。1988年広島会計学院卒業後、ベビー製造卸メーカー、国内アパレル会社にて衣料品の企画、生産、営業の実務を経験。
2003年ココベイ株式会社にて、大手流通チェーンや、ブランド、商社、大手アパレルメーカー向けにコンサルティングを手掛ける。
2009年上海進出を機に上海ココベイの業務と兼任、国内外に業務を広げた。(上海ココベイは現在は閉鎖)
2020年ココベイ株式会社の代表取締役社長に就任。現在は、講談社のWebマガジン『マネー現代』などで特集記事などを執筆。
高機能な“ワークスーツ”に新モデル続々 ワークマンは「4800円」でバカ売れ、紳士服大手も続々投入
渋谷に異変? イケアやダイソーの出店で「ファッションの街」に何が起きているのか
アウトドアブーム再来 バブル崩壊後に起きた1次ブームとの違い、今のトレンドは?
「クレジットカード」の利用で後悔したこと 2位「支払い能力を超える利用」、圧倒的1位は?
ユニクロ・ワークマン参入で危機 AOKIの“4800円スーツ”は起死回生の一手となるか
スーツに見える作業着の次は“ゴルフウェア” WWSが人気高まるゴルフ市場に新提案Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング