多くの人が鉄道に乗るとなれば鉄道の本数を増やし、対応して輸送の使命を遂げる大義名分がある。大義名分があると現場の士気が上がる。
しかし、置かれた状況を目の前に、事業を縮小していくとなると、士気は下がっていく。多くの人を鉄道で運ぶ大義名分がなくなってくると、士気の低下は避けられない。このことが企業組織内に与える影響は大きいのではないか。
JR東日本の都心部を走る山手線がこの状況であるということは、同社の鉄道事業において、戦略の転換を必要とすることを示している。
それを見越してか、山手線のE235系は全50本、E231系の52本より2本少ない本数となった。自動列車運転装置(ATO)の試験を行い、また車掌なしワンマン運転の導入も検討するなど、縮小型社会への転換となる現状に適したビジネスの仕組みづくりを象徴するようなものとなっている。
撤退戦の状況において、どう戦略的な転換を図るかが今回のJR東日本都心部のダイヤ改正に表れているのだ。
都心を走る東京メトロも例外ではない。混雑路線である銀座線は渋谷発で平日の昼間は4分間隔の時間帯も現れている。
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