ロシアの軍事侵攻を受けているウクライナ政府を支援するため、楽天グループが2月末に創設した「ウクライナ人道危機 緊急支援募金」の募金額が3月10日、8億円を突破した。開始から約1週間余りでの突破となる。開始当初は楽天ポイントとクレジットカードのみの対応だったが、3月に入って以降は楽天銀行からの振り込みも募金手段に追加。“楽天経済圏”のユーザーが募金しやすい環境を整備し、全社を挙げた支援を強化している。
記事執筆時点(3月10日午後7時)の募金総額は約8億1700万円。集まった募金は、在日ウクライナ大使館やUNICEF(ユニセフ、国連児童基金)を通じて、ウクライナ本国に送金され、飲料水など物資支援、保健サービスの提供、子どもの保護をはじめとする人道支援に活用されるという。
同社にはウクライナ人社員も在籍しており、企業としての強い当事者意識が一連の取り組みの背景にあるとみられる。募金の受付期間は3月31日まで。
企業だけでなく、自治体として独自にウクライナ支援に乗り出す動きもある。大阪府泉佐野市は3月4日、ウクライナへの人道支援を目的に、ふるさと納税の仕組みを使った募金を始めた。自治体がふるさと納税を活用してウクライナ支援を行うのは初めてだという。
1口2000円以上から専用サイトで受け付ける。返礼品はないものの、寄付者には通常のふるさと納税同様、税控除を行う。同市の取り組みには開始から約1週間で、約1000人から約3900万円が集まっている。 募金は在日ウクライナ大使館を通じて、ウクライナ本国に送金する。
当事者である、ウクライナ政府も募金活動を行っている。在日ウクライナ大使館(UKrinJPN)が2月25日に三菱UFJ銀行に設置した口座には、約15万人から約40億円の募金が集まったという。
同大使館は3月7日、ウクライナ中央銀行が特別口座を開設したことも発表。ウクライナ軍を資金面で直接支援したいユーザーは、クレジットカードで支援できるようにした。
一方で、大使館を装い、ビットコインなど仮想通貨での募金を呼び掛ける詐欺手口もあるといい、同大使館は注意を呼び掛けている。
ウクライナを巡っては、NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大を目指す米国を中心とした欧米諸国と、ウクライナを緩衝地帯(バッファー)にしたいロシアの対立が激化。2月下旬からロシアはウクライナへの軍事侵攻に踏み切ったが、2国間の停戦交渉が難航しており、戦争が長期化している。
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