このように店を紹介すると、「よさそうだな。会社からも近いし、今度行ってみるか」と思われた人もいるかもしれないが、店の船出は“逆風”が吹き荒れていたのだ。
先ほど紹介したように、店がオープンしたのは、20年3月のこと。新型コロナの感染が広がって、4月には緊急事態宣言が発令された。普段、大手町にはたくさんのビジネスパーソンが歩いているが、店の前は激減。QBハウス全店がシャッターを下ろすことになって、プレミアム店もいきなり休業に追い込まれてしまったのだ。
店のスタッフは、休みのときどんなことを考え、どんなことをしていたのだろうか。先ほどアプリを使って「事前予約」と「事前決済」ができるようにしたと紹介したが、こうしたサービスは休みの間に議論して生まれたのだ。「こんなサービスがいいのでは」「いやいや、それではなくて、こっちで」といった会話が交わされていたようだ。
さて、QBハウスの課題を解決するような形で、プレミアム店は生まれたわけだが、業績はどうなのだろうか。先述したように、船出は厳しく、コロナ前のような人流は戻っていない。そんな状況にもかかわらず、客数は20年6月から凸凹しながらも右肩上がりが続いているとのこと。21年、12月には過去最高を更新した。
試験的に始めた大手町の店は、厳しい環境にもかかわらず、客数は伸びている。となれば、次のことも考えなければいけない。21年11月、阪急大阪梅田駅の改札付近に「阪急梅田茶屋町口店」をオープンしたところ、こちらも客数は順調に伸びているという。さらに、3月24日には東京の北綾瀬に出店することが決まっている。
1号店、2号店は都市の中心に展開して、3号店は住宅街である。「プレミアム店の基本コンセプトは同じですが、いまのところ各店によって少しずつサービスが違っています。例えば、大手町店はコーヒーを提供していますが、茶屋町口店ではやっていません。新しいことをどんどん試して、今後はお客さまから選ばれたサービスを残していきたいですね」(入山さん)
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