10万円もする「iPhone13 mini」がなぜ1円? そのカラクリを解明する房野麻子の「モバイルチェック」(3/3 ページ)

» 2022年03月25日 18時00分 公開
[房野麻子ITmedia]
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端末単体の販売、割引の拒否も

 こうしたカラクリで人気のiPhoneが非常に安価で手に入るわけだが、問題もある。総務省は、3月14日に開催した「競争ルールの検証に関するワーキンググループ」(第26回)に合わせて、「携帯電話販売代理店に関する情報提供窓口」に寄せられた通報を一部公開した。

 通報は「通信料金と端末代金の完全分離」違反に関する情報が394件で、全体の56.2%を占めた。店舗での端末の単体販売拒否、利益提供の上限超過疑義に関するものが多かったという。これらは当然、問題とされ、指導や何かしらの対策が行われるだろう。

「携帯電話販売代理店に関する情報提供窓口」に寄せられた通報の一部

 法改正で割引は規制されたが、隙を突いて安くする「工夫」にはいつも驚かされる。最大の商戦期に、契約者を増やしたいキャリア、売りたい店舗、安く買いたいユーザーの思いが一致して、官庁が定めた規制をあっけなくなぎ倒しているように感じられる。

筆者プロフィール:房野麻子

大学卒業後、新卒で某百貨店に就職。その後、出版社に転職。男性向けモノ情報誌、携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年にフリーランスライターとして独立。モバイル業界を中心に取材し、『ITmedia Mobile』などのWeb媒体や雑誌で執筆活動を行っている。最近は『ITmedia ビジネスオンライン』にて人事・総務系ジャンルにもチャレンジしている。


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