花粉症持ちはどんな特徴があるのか? 花粉症症状の強さと関連する特徴も明らかに順天堂大学大学院の調査

» 2022年03月28日 13時59分 公開
[堀井塚高ITmedia]

 順天堂大学大学院医学研究科 眼科学の研究グループでは、スマホアプリ「アレルサーチR」の花粉症に関するデータを収集・解析し、花粉症に悩む人の特徴を明らかにした。花粉症の人と非花粉症の人を比較した結果、「若年齢」「女性」「アトピー性皮膚炎」「ドライアイ」「花粉症シーズン中のコンタクトレンズの装用中断」「排便回数が多いこと」「睡眠時間が短いこと」が花粉症の人の特徴であることが分かった。

花粉症のある人の特徴(画像:以下、リリースより) ※オッズ比とは、疾患の発症等との関連を示す尺度。オッズ比が1より大きい場合、それがある(または大きい)ことが花粉症のある人の特徴であることを示しており、オッズ比が1より小さい場合、それがある(または大きい)ことが花粉症のない人の特徴であることを示しています。

 花粉症は国内で約3000万人が罹患しているアレルギー疾患だ。しかし、花粉症の要因には花粉以外にもさまざまな環境要因があり、その症状も多岐にわたる。

 症状の重さに関連する特徴は、「若年齢」「女性」「呼吸器疾患」「ドライアイ」「トマトアレルギー」「花粉症シーズン中のコンタクトレンズ装用中断」「喫煙習慣」「ペット飼育」などが挙げられた。

花粉症症状の強さと関連する特徴 ※偏回帰係数は花粉症症状の強さと各特徴の関連を示す指標。偏回帰係数が0より大きい場合、その特徴と花粉症症状の強さの増加が関連することを示し、偏回帰係数が0より小さい場合、その特徴の減少が花粉症症状の強さの増加と関連することを示している。

 花粉症予防策の割合は「マスクの使用」が最も多かった。次いで「内服薬」「点眼薬」「点鼻薬」「空気清浄機、洗顔剤の使用」「メガネ・ゴーグル着用」と続いた。

花粉症の予防対策

 環境省の「花粉症環境保護マニュアル2022」によると、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国調査から、花粉症の有病率は1998年が19.6%、2008年が29.8%、19年には42.5%と10年ごとに10ポイント以上増加していることが分かった。

 調査は18年2月1日〜20年5月1日にスマホアプリ「アレルサーチR」をダウンロードし、同意を得た1万1284人のデータを元にした。花粉症の重症度は、各4点満点の5項目の鼻症状スコア、4項目の非鼻症状スコアを用いて36点満点で評価している。

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