日本最大のポータルサイト「Yahoo! JAPAN(ヤフージャパン)」を運営するヤフーを傘下に持つZホールディングス(ZHD)と、LINEが経営統合して1年が経(た)つ。
前回のインタビュー「ヤフーとLINEが経営統合、川辺・出沢共同代表に聞く――ZホールディングスにあってGAFAにない優位性とは?」に引き続き、ZHDの共同CEO(最高経営責任者)の川辺健太郎氏と、LINEの出沢剛氏にインタビューした。
前編【Zホールディングス川辺、出沢CEOが語る展望 ヤフーとLINEの相互理解を深めて世界の“第3極”に】では、経営統合のシナジーやメディア事業好調の理由を聞いた。
現在、3次元の仮想空間である「メタバース」が、世界的なトレンドになっている。中編では、同社がいかなるビジネス展開を考えているのかを聞く。
――最近、メタバースが話題になり、新たなビジネスになる期待も高まっています。現時点でメタバースについて、どんな見通しを持っていますか。
川辺: コロナ禍で巣ごもりなどが増えて、ネット上で何かをする時間が増えたと思います。今後コロナ禍が終息した後もネット上で費やす時間は増えていき、その中で主要なものとしてメタバースのようなものが出てくると思います。
かなりの日常がメタバースの中に形成されてくるので、それを支える技術としてブロックチェーンが導入され、国というよりも個が主体となる世界観が形成されていくのではないでしょうか。
このため技術を通じてコンシューマーにサービスをする会社にとっては、大きなチャンスになると考えています。積極的にいろいろなサービスを提供したいと思います。目下のところはLINEの方がスピーディに展開しようとしています。
出沢: メタバースと直接的にリンクするわけではないですが、Web3やブロックチェーンの開発は4、5年前からLINEとしては着手していて、ソリューションを提供してきました。
その基礎的な技術として、この春に日本とグローバルの両方で「NFT」のサービスを開始することにしています。その中で面白いところで言うと、日本向けに「ヤフオク!」と連携した形でもNFTのマーケットをやっていこうと準備しています。
グループの目線でみると、ZHDが持っている多くのコンテンツは「NFT」と相性が良いので、グループを挙げて取り組んでいきたいと思います。
LINEの株主にあたるNAVERのグループ会社「NAVER Z(ネイバーゼット)」は、アジア有数のメタバースプラットフォーム「ZEPETO(ゼペット)」を提供しています。ソフトバンクグループ全体で新しい市場を作る意味では面白い挑戦ができると思い、スピーディに取り組んでいる認識です。
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