日本最大のポータルサイト「Yahoo! JAPAN(ヤフージャパン)」を運営するヤフーを傘下に持つZホールディングス(ZHD)と、LINEが経営統合して1年が経(た)つ。
前回のインタビュー「ヤフーとLINEが経営統合、川辺・出沢共同代表に聞く――ZホールディングスにあってGAFAにない優位性とは?」に引き続き、ZHDの共同CEO(最高経営責任者)の川辺健太郎氏と、LINEの出沢剛氏にインタビューした。
2人は経営統合のシナジー効果(相乗効果)が出ていると強調。川辺CEOは「世界に向け圧倒的な利便サービスを提供していきたい」と話した。米IT大手のGAFAMや中国のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)を上回るビジネス展開に強い意欲を示している。
――ヤフーとLINEが経営統合したシナジー効果は出ていますか。
川辺: はい。具体的なシナジーは3つあると思います。1つは両社の刷り合わせにより、ガバナンス面での統合が進んだ点です。
2つ目はサービス面でのシナジーです。具体的には、ヤフーがEコマースに力を入れているので、この取扱高を増やすために、ヤフーショッピングの多くのストアにLINE公式アカウントを導入してもらう施策をLINEと共同で実施しました。その結果、ヤフーショッピングでもLINE公式アカウントが使われるようになり、取扱高の向上に効果が出てきています。
LINEのEコマースも強化しています。LINEギフトの中に、ZOZOの贈答に向いたアイテムを入れたことなどによってLINEギフトの取扱高が大幅に伸びています。また PayPay(ペイペイ)の加盟店のうち、ユーザーがQRコードを読み取るユーザースキャン方式(MPM)加盟店において、LINE Payユーザーが決済できるようにしました。
ヤフーが以前から力を入れている防災、災害時の情報支援なども、連携が進みました。ヤフーの防災速報は、LINE経由でも受け取れるようになっています。
3つ目は業績面でのシナジーです。21年度の第3四半期が終わったところですが、既に業績の上方修正を発表しています。株価も直近は米国のインフレ懸念やウクライナ情勢で少し下げているものの、年間で見ると順調に上がっています。株価の面でしっかりとシナジー効果は出ていると思います。
出沢: ZHDグループ各社のシナジーを使って、 総菜などを届けるサービス「Yahoo!マート」の中で、多くの商品を短い時間で届けられています。出前館の配達の仕組みと、アスクルの商品力、ヤフーコマースの知見を結集し、全く新しいサービスを提供できたのもシナジー効果の1つだと思います。
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