早川書房は同作品を01年に出版するも、一度は廃刊としていたが、メタバースへの関心の高まりを受け、1月に同作品を復刊した。同社は売れ行きについて「発売後すぐに重版となるなど、SF作品としては売れている方だ」と説明。その傾向について「既存のSFファン以外にも、エンジニアなどIT業界のビジネスパーソンが新たな読者層になっている。特に、IT企業が多い渋谷区内の書店の売り上げが好調だ」としている。
渋谷区内には米グーグルの他、ミクシィやGMOインターネット、サイバーエージェント、DeNAなどがオフィスを構えており、ITの街として知られている。
早川書房の担当者は「『スノウ・クラッシュ』はSF小説としては名作。メタバースブームの影響で初めて作品に触れた人もいるかもしれないが、これをきっかけにSF小説の魅力の周知にもつなげたい」としている。
メタバースに関しては日本トレンドリサーチを運営するNEXER(東京都豊島区)が1月までに全国の男女2200人を対象に知名度調査を実施。それによると、メタバースの知名度は約25%で、そのうち実際にメタバース関連サービスの利用経験があるのは6割程度と判明している。
その他、米ブルームバーグインテリジェンスは40年までに、メタバースの市場規模が8000億ドル(約96兆円)に達すると試算している。
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