風向きが変わったのが21年の後半だ。
21年は、大規模な金融緩和による世界的なインフレの懸念が表面化してきた年である。インフレ懸念によってこれまでは投資対象とみなされていなかったさまざまなものが投資対象とみなされるようになった。本連載でも、そのような現象を「雑草バブル」や「ポケモンカード投資」の記事で取り上げてきた。
グラフ中には参考として投機の対象となっている「ポケモンカード」の検索人気度もプロットしたが、概ね海外ブランドの検索人気度と類似した動きを示している。
市場調査会社のREPORTOCEANによると、世界の高級アパレル市場における21年から27年の年平均成長率を3.67%程度と推定している。とすると、21年後半に海外ブランド関連の検索キーワードで発生した20〜25%ポイントの関心急上昇は、市場の健全な成長率を大幅に上回っており、投資目的といった“新たな客層”の流入を示唆している。
著名Youtuberのヒカキン氏も、2月に自身の動画で、1億1260万円で購入したロレックスの人気モデル2本の価格がわずか半年で2億3955万円まで高騰したことを報告していた。ヒカキン氏本人は投資目的ではなく時計が好きと動画内で断ってはいるが、視聴者やメディアの反応としてはどうしても値上がり益に注目が集まってしまっているようだ。
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