「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」5周年 ブシロード木谷会長が明かす「ゲームとライブビジネスの両輪経営」コロナ後を見据え跳躍(1/2 ページ)

» 2022年04月02日 11時08分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

 音楽活動に青春を燃やす女子学生たちを描いた『BanG Dream!(バンドリ!)』。東証マザーズに上場するエンタメ企業・ブシロードグループが展開するメディアコンテンツで、2015年から16年にかけて展開された同名の漫画や小説を原案に、アニメやゲーム、そして音楽ライブなど多岐にわたるエンタメビジネスを展開している。

バンドリ!プロジェクト発表会 Beyond the dream」が開かれた(以下©BanG Dream! Project)

 中でも経営の柱となっているのが、音楽ライブイベントとスマートフォン向けゲームだ。作中には7つのバンドが登場し(2022年3月現在)、このうちPoppin'Party(ポッピンパーティ)、Roselia(ロゼリア)、Morfonica(モルフォニカ)、RAISE A SUILEN(レイズアスイレン)の4つは、声優自身が実際に楽器を演奏しリアルバンドとしても活動している。音楽バンドとしての人気も非常に高く、出したCDがオリコンで一桁など上位になることも珍しくない。

RAISE A SUILEN の新アーティストビジュアル(リリースより)

 17年3月から配信されているスマートフォン向けゲーム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」(以下、ガルパ)も高い人気を博している。作中のバンドが演じる曲をプレイヤーが実際にリズムアイコンに合わせて操作する音楽ゲームになっている。それぞれのバンドのオリジナル楽曲だけでなく、「天体観測」や「残酷な天使のテーゼ」などカバー楽曲が約180曲収録されている。収録楽曲の総数では約400曲にものぼる(いずれも22年3月末時点)。

 過去にはApple(アップル)やGoogle(グーグル)のアプリストアのセールスランキング1位を何度も獲得した。5周年を経過した現在でも人気は健在だ。

 音楽ライブイベントとスマートフォン向けゲームで高い収益をあげながら、さらなるメディアミックス展開を進める好循環も起こっている。例えば、テレビアニメ化はこれまで3回、劇場作品化は5回実施された。

 スマートフォン向けゲームのリリースから5周年を記念し、3月19日には東京・秋葉原で、バンドリ!プロジェクトの発表会「バンドリ!プロジェクト発表会 Beyond the dream」が開かれた。発表会では6周年に向け、ガルパの一部楽曲において、実際のライブシーンを3DCGによるキャラクターが演奏する機能の追加が明らかになったほか、音声創作ソフト「CeVIO AI(チェビオ エーアイ)」とのコラボも発表された。

 CeVIO AIの第1弾として開発される「バンドリ!」のキャラクターは、Poppin'Partyの戸山香澄とRoseliaの湊友希那の2人。いずれも各バンド内でメインボーカルを務めるキャラクターだ。

Roseliaの湊友希那役を務める相羽あいなさん
【©CeVIO ©BanG Dream! Project ©Craft Egg Inc. ©bushiroad All Rights Reserved.】

 20年3月に活動を開始したMorfonicaの新作アニメの展開も発表された。完全にオリジナルのアニメとなっており、22年夏に放送が予定されている。

 音楽ライブの新情報も発表された。9月22〜25日の4日間にかけ、東京都江東区にある有明アリーナで4連日ライブを実施する。有明アリーナは2021年7月の東京オリンピックにも使われた会場で、ブシロードの木谷高明会長は、「東京五輪後に有明アリーナで4連日ライブをやるのは初ではないでしょうか」と話す。

ブシロードの木谷高明会長
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