「ストリートファイター」35周年記念『俺より強いやつらの世界展』が開催 カプコンとDNPがタッグを組む狙いストIIの売り上げは1550万本(1/3 ページ)

» 2022年02月17日 05時00分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

 対戦格闘ゲームという一大ゲームジャンルを切り拓いたカプコンの「ストリートファイター」シリーズが、今年35周年を迎える。

 同シリーズは、1987年にアーケードゲームとして登場。初代「ストリートファイター」は家庭用ゲームの展開がされず、ゲームセンターにしかない知る人ぞ知る作品だった。だが4年後の91年に稼働を始めた「ストリートファイターII(ストII)」が一躍大ヒット。スーパーファミコンやメガドライブをはじめとする家庭用ゲーム機に次々と移植され、「II」のシリーズだけで全世界1550万本を売り上げた。

「ストII」シリーズは全世界1550万本を売り上げた(以下(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.)

 以後、「ZERO」「III」「IV」「V」など現在に至るまでシリーズ展開が続いている。近年ではゲームをスポーツとして見立てる「eスポーツ」人気の高まりから競技種目の一つとしても人気を集めており、ウメハラこと梅原大吾選手ときど選手をはじめ、多くのプロゲーマーを生み出しているタイトルだ(関連記事を参照)。

シリーズの主な沿革(撮影:河嶌太郎)

 シリーズ開始から35周年を記念した展示会「ストリートファイター展『俺より強いやつらの世界展』」が2月10日に始まった。3月27日まで開催している。場所は東京・渋谷にある「東京アニメセンター in DNP PLAZA SHIBUYA」。入場料金は1500円に設定した。東京以外では、北九州市の北九州市立美術館分館で6月18日〜8月7日にかけて実施する予定だ。

シリーズ開始から35周年を記念した展示会「ストリートファイター展『俺より強いやつらの世界展』」

 展示されているのは、「ストII」のキャラクターの原画や開発資料など、400点以上。グッズの販売や、画像認証技術を用いた全身を使う体験型ゲームも設置されている。展示にあたってはカプコンが全面的に協力・監修しており、これまで社外秘だった資料も公開されている。「ストII」のデザイナーあきまんこと安田朗さんや、イラストレーターの西村キヌさんによる原画も展示されていた。

「ストII」のデザイナーあきまんこと安田朗さんによる春麗

 さらにゲーム「ファイナルファイト」から生まれた車を連打などで破壊する「ストII」のボーナスステージを体感できる仕掛けもあった。壁に映し出された車の前に立ち、主人公リュウの必殺技・波動拳のポーズをとることで動きに合わせて技が発動する体験ブースがある。昇龍拳のほか、ダルシムのヨガファイアやガイルのソニックブームなども隠し必殺技として用意した。また、会場内にはアパレルなどのグッズも販売している。

「ストII」のボーナスステージを体感できるブース(撮影:河嶌太郎)

 主催には国内大手印刷会社「大日本印刷(DNP)」と、九州を代表するブロック紙・西日本新聞のイベント事業会社「西日本新聞イベントサービス」の2社が参画している。

 もともと「ストリートファイター展」は、2020年7月から9月にかけて福岡市で開催されたのが始まりで、今回が2回目となる。この福岡市で開催された「ストリートファイター展」の企画制作を務めたのが西日本新聞イベントサービスで、今回も主催だけでなく、イベント全体の企画制作を担う。

 今回、展示施設である「東京アニメセンター in DNP PLAZA SHIBUYA」の企画・運営を行うDNPが、西日本新聞イベントサービスへ「ストリートファイター展」の都内開催や新たな企画アイデアを打診したことがきっかけで2社参画による開催へつながった。

主人公リュウのイラスト(撮影:河嶌太郎)
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