「ストリートファイター」35周年記念『俺より強いやつらの世界展』が開催 カプコンとDNPがタッグを組む狙い：ストIIの売り上げは1550万本（3/3 ページ）

[河嶌太郎，ITmedia]

巨大IPで売り上げを伸ばせるか

　制作資料の保管（アーカイブ）は制作会社にとっては悩みの種であり、特に紙の資料の数が膨大で、制作工程のフルデジタル化もさほど進んでいないアニメ制作会社にとっては課題の一つとなっている。アニメ制作会社は企業の規模が小さいところも珍しくなく、せっかく自分達で作り上げてきた資料を保管しておきたくても、場所やコストの面から適わず廃棄してしまうケースも少なくないのだ。

　今回のストリートファイター展では、各ステージの背景の手描きデザイン画も展示されていて、それは今やあまり目にしなくなった青地の方眼紙に細かく描き込まれている。パソコンが普及してなかった往時を思わせる手描き資料も数多く残されている。

　さらにキャラクターのコンセプトを記したメモ書きや設定を書いた企画書など、貴重な資料を展示されていた。名物シーンやキャラクターデザインの舞台裏を垣間見られる。方眼紙に描かれた対戦シーンのラフは、かつてゲームセンターを彩った筐体内の画像を思い出させる。

　35周年を記念した『俺より強いやつらの世界展』。ストリートファイターという巨大IPを武器に、どこまで売り上げを伸ばせるか。