ソニーG、人気ゲーム「フォートナイト」開発元に1250億円追加出資 出資元が「PS5」のSIEでない理由株式保有率は4.9%に(1/2 ページ)

» 2022年04月13日 15時32分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 ソニーグループ(ソニーG)は4月12日、人気オンラインゲーム「Fortnite」(フォートナイト)の開発などを手掛ける、米Epic Games(エピックゲームズ)に約10億ドル(約1250億円)を追加出資すると発表した。同社は仮想空間「メタバース」領域での連携強化などを主な狙いとしている。

photo ソニーG本社(出典:同社Webサイト)

 ソニーGが同社に出資するのは3回目。2020年7月に2億5000万ドル(当時のレートで268億円)、21年4月に2億ドル(同220億円)をそれぞれ出資しており、今回の出資で同社株の保有率は4.9%となる。

photo ソニーGのプレスリリース

傘下に「PS5」のSIE なぜゲーム会社にソニーGが出資?

 ソニーGは、家庭用ゲーム機「PlayStation 5」(プレイステーション5)などを手掛けるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)を傘下に持つ。ゲーム開発会社への出資元がSIEではなく、なぜ親会社のソニーGなのだろうか。

photo PS5(出典:SIE公式Webサイト)
photo SIE本社

 同社広報は、出資の狙いについて「協業可能領域の広さ」「メタバース事業強化」「投資による企業価値の向上」と説明する。出資先のエピックゲームズはフォートナイトのイメージが強い一方で、ゲームエンジン「Unreal Engine」の開発元としても知られる。同エンジンはゲーム開発に加え、CG制作ツールとして映画やテレビ、建築、自動車、製造などの各業界が可視化やシミュレーションの用途で採用しているという。

photo フォートナイト(出典:同社公式Webサイト)

 実際、同社は6日に正式リリースした最新エンジン「Unreal Engine 5」の技術デモとして、映画『マトリックス』の世界を舞台にした「The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience」も公開しており、高い評価を受けている。

photo 「Unreal Engine」(出典:同社公式Webサイト)

 傘下にソニーピクチャーズやソニーミュージックなどを抱えるソニーG。初回出資後の20年8月には、ソニーミュージック所属でシンガーソングライターの米津玄師さんがフォートナイト上で音楽ライブを開催するなど、すでに2社間でのコラボも実現しており、今後も多角化経営の強みを生かした協業を進める方針だ。

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