ソニーグループ(ソニーG)は4月12日、人気オンラインゲーム「Fortnite」(フォートナイト)の開発などを手掛ける、米Epic Games(エピックゲームズ)に約10億ドル(約1250億円)を追加出資すると発表した。同社は仮想空間「メタバース」領域での連携強化などを主な狙いとしている。
ソニーGが同社に出資するのは3回目。2020年7月に2億5000万ドル(当時のレートで268億円)、21年4月に2億ドル(同220億円)をそれぞれ出資しており、今回の出資で同社株の保有率は4.9%となる。
ソニーGは、家庭用ゲーム機「PlayStation 5」(プレイステーション5)などを手掛けるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)を傘下に持つ。ゲーム開発会社への出資元がSIEではなく、なぜ親会社のソニーGなのだろうか。
同社広報は、出資の狙いについて「協業可能領域の広さ」「メタバース事業強化」「投資による企業価値の向上」と説明する。出資先のエピックゲームズはフォートナイトのイメージが強い一方で、ゲームエンジン「Unreal Engine」の開発元としても知られる。同エンジンはゲーム開発に加え、CG制作ツールとして映画やテレビ、建築、自動車、製造などの各業界が可視化やシミュレーションの用途で採用しているという。
実際、同社は6日に正式リリースした最新エンジン「Unreal Engine 5」の技術デモとして、映画『マトリックス』の世界を舞台にした「The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience」も公開しており、高い評価を受けている。
傘下にソニーピクチャーズやソニーミュージックなどを抱えるソニーG。初回出資後の20年8月には、ソニーミュージック所属でシンガーソングライターの米津玄師さんがフォートナイト上で音楽ライブを開催するなど、すでに2社間でのコラボも実現しており、今後も多角化経営の強みを生かした協業を進める方針だ。
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