ボタンを押すだけ! 本格「ミルクティーメーカー」は、どうやって開発したのかあの会社のこの商品(2/6 ページ)

» 2022年04月14日 08時30分 公開
[大澤裕司ITmedia]

ルーツは10年以上前に発売されたミキサー

 21年に入ってから開発を検討したというミルクティーメーカーだが、実は意外な商品がルーツになっている。それは10年5月に発売されたミキサーの「ソロブレンダー」。現在は3代目の「ソロブレンダーソラン」が17年5月から販売されている。

 ソロブレンダーはモデルチェンジするだけではなく、新商品も派生させている。最初の派生商品は、19年2月に発売された「ガラスブレンダー リコ」。耐熱ガラス製のガラスジャーを採用し、温かいポタージュやトマトソースなどをつくることを可能にした。

 第2の派生商品は、20年11月に発売された「ソイ&スープブレンダー」。加熱しながら刻んで撹拌することができ、食材を入れてボタンを押すだけで温かいスープや豆乳をつくることができる。

 そして第3の派生商品がミルクティーメーカーになる。レコルトブランドの家電を開発・販売するウィナーズは、ソイ&スープブレンダーの加熱しながら撹拌する動きを利用できることと、コンパクトにできサクッと使えるところが紅茶づくりに生かせると考えた。

(左から時計回りに)本体、カバー、キャップ、電源コード、ストレーナー、フローサー

 紅茶づくりが発案された背景には、このほかにもレコルトの海外展開がある。同社の家電は日本だけではなく韓国、中国、台湾、香港、シンガポールでも販売。このようなことから、各地で流行っている商品情報は得られやすく、その中の1つに台湾のホットティーやミルクティーがあった。台湾といえば、日本でも流行ったタピオカミルクティーが有名だが、現地では紅茶が広く親しまれている。

 しかし、ウィナーズの岡野真二社長は開発の課題をこう打ち明ける。

 「紅茶にはいろいろな文化的背景があり、淹(い)れ方もさまざまです。それらを考慮し、落とし込んでいく過程には難しい場面が多々ありました」

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