4月4日に実施された東証再編。「東証1部」などのこれまでの区分が廃止され、「プライム」「スタンダード」「グロース」に再編された。日本取引所グループは、これまでの市場区分には2つの課題点があったと説明している。
このうち(1)は「1部上場企業の約87%がプライム市場に流れたが、本当に再編の意味があったのか」など、議論の的になることが多い。一方で(2)に関しては、注目度は比較的低い。
しかし上場後のスタートアップを支援するグロース・キャピタル(東京都港区)の嶺井政人CEOは、(2)のための制度変更が「上場ベンチャーの成長を促す大きな転換点となる」という。
今回の再編に伴う制度変更のうち、嶺井氏は注目すべき点として以下の3点を挙げる。
従来はマザーズへの新規上場時のみ中期経営計画の開示義務があり、その後は任意だった。同社によれば、21年3月時点で、マザーズ上場企業の開示率は27%にとどまっていた。
従来は新規上場基準よりも上場廃止基準が低く、「上場までたどり着けばひと安心」と上場廃止リスクを重要視しない企業も存在したが、原則として両者の基準が共通化する。
マザーズから東証1部へのいわゆる「鞍替え」の基準は、時価総額は40億円以上、過去2期累計の経常利益は5億円以上だった。この基準が厳格化し、グロース市場からプライム市場への鞍替え基準は流通株式の時価総額が100億円以上、過去2期累計の経常利益は25億円以上になった。
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