アリアで知った、日産の走り味とは 鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(1/2 ページ)

» 2022年04月18日 07時00分 公開
[鈴木ケンイチITmedia]

 先日、日産の新型EVである「アリア」のメディア向け試乗会に参加しました。試乗の後には、アリアの開発者の話を聞く機会も得ました。そこで気付いた「日産の走り」を紹介します。

 今回、試乗したのは現在予約受付中となっている「アリアB6 2WD」です。

日産の新型EVである「アリア」

 アリアは、66kWhと91kWhのバッテリー搭載の大小、2WDと4WDの駆動方式の違いによって、4モデルの発売が予定されています。バッテリーを66kWh搭載するモデルがB6、91kWhの搭載ならB9と呼ばれます。そして4WDは「e-4ORCE」の呼び名が追加されます。

 また、最高出力、一充電航続距離はそれぞれ異なります。2WDの「B6」が最高出力160kWで航続距離470キロ、「B9」が最高出力178kWで航続距離610キロ、4WDの「B6 e-4ORCE」が最高出力250kWで航続距離430キロ、「B9 e-4ORECE」が最高出力290kWの航続距離580キロというスペックが予定されています。

 つまり、B6 2WDは4モデルのうちのベーシックモデルとなります。そして価格は539万円。B6の販売は間近で、その他グレードは夏以降の発売となるようです。

そこまで豪語するのであれば、アリアの走りは、さぞや素晴らしいのだろう

 今回の試乗は、アリアの中でもベーシックなモデルですが、それでもスウェードを使った上質なシートや木目調を多用するインテリアなど質感も十分。高速道路でのハンズオフを可能とする先進運転支援システム「プロパイロット2.0」や、車外からクルマをリモートで前後させることができる「プロパイロットリモートパーキング」など、先進機能も最新のアイテムが採用されています。

 走行前の説明では「クルマの未来を感じる新時代のフラッグシップ」であることが強調されました。EVであるというだけでなく、ラウンジのようなくつろぎの空間、乗る人が感動する走行性能、移動時間も楽しみに変える先進機能を満載しているというのです。

アリアの車内

 そこまで豪語するのであれば、アリアの走りは、さぞや素晴らしいのだろうと、街中に走り出してみました。すると、なるほどと納得できる部分と、そうではない部分がありました。

 まず、静粛性の高さは文句なし。エンジン音のないEVであるというだけでなく、走行ノイズも丁寧に遮音されています。また、滑り出すような滑らかな加速も秀逸です。加速に乱暴さがなく、エレガントな加速を見せてくれます。なるほど、これぞフラッグシップです。

 さらに曲がるときの動きは軽快です。アリアB6のバッテリーは少なめといっても、それでも車両重量は1920キロもあります。2人乗っていれば、軽々と2トンを超えます。ところがアリアB6の振舞いからは、そんな重さをまったく感じません。コンパクトSUVのような軽快さです。

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