何度も使える「2750円のタオル」は、なぜ1週間で完売したのか水曜日に「へえ」な話(4/5 ページ)

» 2022年04月27日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

棒に巻き付けて完成

 「価格が高いこと」「生産性をよくすること」この2つを解決するためには、どうすればいいのか。工数をかけずに、大量生産できるモノにしなければいけない。suuuのような複雑なデザインにするとコストがかかってしまうので、できるだけシンプルなモノにしなければいけない。

 話がちょっとそれてしまうが、クッキーをつくるとき生地を伸ばして、そこに型抜きをする。その型抜きのデザインが複雑であれば、生地にあまりがでてくる。ソフラスも同じように、型抜きをしていくわけだが、そこで複雑なデザインにすれば、破棄する部分が増えるのでコストが高くなってしまう。それではいけないので、コストを抑えようとすると、デザインはどうしても「スポンジ」か「ハンカチ」のようになってしまうのだ。

 「人気スマホをつくるときに使われていた」「機能性は世界シェアが証明」といったキャッチコピーを使っても、形状が「スポンジ」であれば、消費者はどのように感じるだろうか。ワクワクしない。心を揺さぶられないモノに、2000円以上もするタオルを購入するだろうか。本橋さんと今井さんが出した答えは「いない」である。

STTAの試作品

 「いない」を「いる」にするには、どうすればいいのか。価格を抑えて、つくりやすくして、オシャレにすればいい。この3つの課題を解決すれば、なんとかなるのかもしれない。そこで、着目したのが「ロール状」である。ソフラスのカタログをじっくり見ていると、ロール状にできることが分かってきて、それをうまく活用することはできないかと考えた。

 棒にまきつける形であれば、コストを抑えることができる。スポンジよりも薄く、ハンカチよりも厚くしたモノを巻き付ければ、一丁あがりである。試作品をつくったところ、想定以上に「カッコイイ」ものができあがった。「ビジネスパーソンが背負っているリュックにサイドポケットがありますが、使っていない人がいますよね。そこに入れる商品をつくれば支持されるかもしれない」(今井さん)と考え、形はスティック状に決まった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR