エートーキョー(東京都港区)は、今年で6年目となる「日本のアート産業に関する市場調査2021」を実施した。その結果、約2万人を対象とした購入動向調査により「美術品市場(彫刻・現代美術・写真など)」の規模を、2186億円と推計した。20年の2363億円から7%の減少となっている。
アート産業に関する市場規模は、「美術関連品市場(グッズやカタログなど)」が240億円、「美術関連サービス市場(美術館入場料や芸術祭消費額など)」が355億円、「美術品市場」と合わせた3つの市場の総額は、推計2781億円となった。3197億円だった20年の総額推計と比べると、13%減少している。
次に、世界の美術品市場における日本の割合を計算した。世界市場規模5.2兆円に対し、日本の割合は1929億円で3.7%だった。為替変動の影響もあり19年の日本の割合だった3.2%から0.5ポイント増加する結果となった。コロナ禍において減少が限定的だった日本は、世界でのプレゼンスが上昇したと言えるという。
美術品購入の目的を調査したところ、最も多かったのは「居住空間に飾る」だった。次いで「気に入って衝動的に購入」「実用品として使う」と続いた。それに対し高額購入者(3年間で100万円以上購入)は、「コレクションする」「作家を支援する」の回答が多い傾向にあった。
「高額購入者=コレクター層」が順調に成長していることが確認できるという。
エートーキョーの北島輝一マネージングディレクターは、「マーケットが拡大していくには価格の透明性と、売買の材料となるような情報が十分に供給される必要がある」とコメントしている。
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