楽天モバイル“ゼロ円撤回”で、変更迫られる事業戦略本田雅一の時事想々(4/4 ページ)

» 2022年05月14日 08時00分 公開
[本田雅一ITmedia]
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“第一選択肢”になるきっかけ 携帯電話事業者としての転換期か

 もっとも、維持費無料でもいいから試してほしいと編み出された「Rakuten UN-LIMIT VI」から1年以上、楽天グループのサービスなどと連携してお得を演出しつつ、主回線として選んでもらえる自信を反映しての「Rakuten UN-LIMIT VII」なのかもしれない。だとしたら、維持費ゼロ円の契約がなくなることは、同社にとって長期的にプラスに働く可能性もある。

 いずれにしても、新規顧客を獲得するため、どう予算を配分して戦略的に利用者を増やしていくか──という流れの中で、今回の件は想定外の事態ではあるのだろう。

 しかし、維持費ゼロ円を廃止するタイミングの現在は、同社にとっても転換期だ。

 楽天モバイルには、“維持費ゼロ円ではなくなる”ことを十分にユーザーに告知し、正しい選択が行えるような情報発信を求めたい。しかし、一方でこれを“携帯電話事業者として第1選択肢になる”きっかけとして、回線の充実が進むのであれば、同社にとって長期的に、良い機会となるかもしれない。

著者紹介:本田雅一

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ジャーナリスト、コラムニスト。

スマホ、PC、EVなどテック製品、情報セキュリテイと密接に絡む社会問題やネット社会のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジー、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析・執筆。

50歳にして体脂肪率40%オーバーから15%まで落としたまま維持を続ける健康ダイエット成功者でもある。ワタナベエンターテインメント所属。


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