「掃除してくれる人、いない?」→「やります!」 不動産管理業務のシェアサービスがアツいCOSOJI(こそーじ)(3/5 ページ)

» 2022年05月26日 06時00分 公開
[中川寛子ITmedia]

関係者全員が得するサービスで「課題を解決したい」

 筆者がこのサービスで優れていると感じたのは、関係者全員が得するという点である。法人も含め、建物所有者はこれまで多額の費用で依頼しているのに終了報告が遅く、品質にばらつきがあるとの不満を抱えていた。ただ、COSOJIを経由すればそれらの全ての問題が解決する。

 価格は従前の半額ほどだし、報告の写真は終了後すぐに送られてくる。品質はCOSOJIが定めた仕様にのっとって一定で、しかも発注から決済までがオンラインで一気通貫。過去の作業履歴などもアプリにまとめられているので、いちいち書類をひっくり返す必要はない。

 管理会社で働く人からすれば必要書類が大幅に減ることになり、自分では探せなかった優秀な現場スタッフを手配してもらえることにもなる。これによって精神的な負担が軽減されるのはもちろん、労働時間も短縮できる。労働環境が改善されるのである。

 現場で作業する人にもさまざまなメリットがある。近所の仕事を中心に受注できれば移動の時間や費用がなくなり効率が良くなるので、多少発注額が安くなっても損はしない。効率的な取引になるので、発注者からすれば半額でも、受注側からすれば金額は変わらない、場合によっては高くなるということもあろう。

不動産 空き地の管理も実施(画像提供:Rsmile)

 これまでの不動産・建設業界は紹介でビジネスが回っており、対人関係が苦手な職人気質の人たちには不利な面があった。だが、この仕組みならトークより現場での力量が評価されるので、力のある人たちが正当に評価される。仕事に恵まれずにいた人からすれば救いの神である。

 トーク同様、見積もりや報告書などが苦手な人にとっても、そうした雑務をせず、本業に専念できるのはありがたいところ。請求書を出す手間なく、作業終了後すぐに支払いが行われるのもさらにありがたい話だ。

 加えて発注者から直接「すぐに工事してくれて助かった」「頼んで良かった」などと評価の言葉が聞けることも大きなメリット。前述した多重構造は発注者、受注者を分断、互いの顔を見えなくしているが、それを対面にすることで解決する問題、生まれるやりがいなどがあるはずなのである。

 管理や工事の仕事では、文句を聞かされるのが常態。それが管理業界の人手不足の要因のひとつなのだが、それが改善され、自分の仕事がきちんと評価されるとなれば、この業界で働いてみようという人も増えるかもしれない。

 不動産会社の縦割りの影響を受けないという点もメリット。外からはあまり分からないが、住宅、オフィス、店舗と建物の種別で扱う会社は別れているのが一般的。だが電気工事はどの建物でもそれほど変わりはなく、広く仕事を受けられるほうが良いのは当然だ。

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