「掃除してくれる人、いない?」→「やります!」 不動産管理業務のシェアサービスがアツいCOSOJI(こそーじ)(5/5 ページ)

» 2022年05月26日 06時00分 公開
[中川寛子ITmedia]
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今後の課題は「業務の標準化」

 とはいえ、富治林氏はまだまだこれからだという。この仕組みを機能させるためには業務の標準化が必要で、業界内にはその意識が乏しい。例えば、壁にクロスを貼る作業ひとつでも、賃貸住宅の場合には賃料、収支から考えて適正額を考える必要があるが、現場でそこまでを考えている人は少ない。同社では業務標準化、業界での適正価格算出に関するビジネス特許を取得しているものの、管理に関する作業が広範に及ぶことを考えると、それだけでは足りない。

不動産 4人で起業。以降外部のスタッフだけでなく社員も増え続けている(画像提供:Rsmile)

 また、ゆくゆくは現場の対応を早くすることで住宅に不備があった時にすぐ修理スタッフが駆け付けられるようにするなど、入居者にも恩恵が及ぶようにしたいとも考えているという。そこまでに至るには、確かに時間が必要だろう。

 不動産、特に管理業は、いまだにFAXや紙が主流であるなど、他の業界よりもかなり遅れている業界だ。しかし、それがCOSOJIの登場、躍進で変わりつつある。1年余でここまでの成果としたら、これから5年後はどうなるか、楽しみである。

 ところで、遅れてきた不動産管理業でこれだけ変化が起きているのである。それよりも進んでいる他業界なら、もっと無駄、非効率を排除する動きが起きていそうなものと思うが……。皆さんの業界ではどうですか?

著者プロフィール

中川寛子(なかがわ ひろこ/東京情報堂代表)

住まいと街の解説者。(株)東京情報堂代表取締役。路線価図で街歩き主宰。

40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくりその他まちをテーマにした取材、原稿が多い。

主な著書に「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版社)など。宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。


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