セブンの「いれたてコーヒー」、粗利率は50%超え? コンビニが100円コーヒーをやめられない“おいしい”理由セブンは値上げ(2/3 ページ)

» 2022年06月15日 08時00分 公開
[大村果歩ITmedia]

セブンはなぜ値上げに踏み切ったのか

 セブンのコーヒーは、「100円」という手軽さを売りにしていたこともあり、値上げは苦渋の決断だったのではないか。しかし岩崎氏は「値上げの影響はそこまで大きくないのではないか」と分析する。

 「昨今の原材料費の高騰はめまぐるしく、平均20〜30%上がっています。年間10億杯も提供しているからこそ、カップやふたのコストは大きく、1年で30〜50億円程度の負担になると考えられます。値上げは避けることはできなかったでしょう」(岩崎氏)

コンビニ セブンのコーヒーは100円から110円に値上げ(出所:プレスリリース、以下同)

 また、キャッシュレス決済の加速による影響も考えられるという。

 「コンビニの支払いは電子決済が主流になっており、現金で払う人は減っています。電子決済上で100円が110円になっても、販売数に大きく影響することはないかもしれません。10円の価値、10円の負担についての感じ方が変化していると考えています」(岩崎氏)

 経済産業省の調査によると、2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%で、直近の10年間で18%以上増加している。

コンビニ 2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%で、直近の10年間で18%以上増加(出所:経済産業省の資料より)

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