ウルカモは、売主も買主も無料で利用できる。売主の売却意向が固まり、ツクルバと媒介契約を締結したあと、実際に家が売れた際に売主から仲介手数料を受け取るビジネスモデルだ。同社が同時に買主を仲介する場合は、買主からも仲介手数料を受け取る。
家を売却する過程では、ツクルバが運営する中古・リノベーション 住宅の流通プラットフォーム「カウカモ」に物件を掲載するケースもある。例えば、リアクションした買主に内見ファストパスを送付したが、そこで成約に至らなかった場合などだ。
カウカモは登録会員数が33万人、年間の利用者数が200万人を突破するなど、15年のリリース以降、順調に推移している。ウルカモに掲載中の売主が売却を決めたら、カウカモへの掲載に移行し、スムーズに売却活動が始められるというわけだ。
「カウカモは順調に成長していますが、より成長を加速させるには売主獲得の強化が必要だと考えました。それを踏まえ、『あらためてユーザーの課題を明確にしていこう』と議論するなかで、昨今のライフスタイルの変化により、若い世代の自宅売却経験者が増えている事実が見えてきました」(山田氏)
ツクルバが21年に実施した「都内の持ち家売却経験者」への調査では、20〜40代が32%を占めていた。出産、結婚、離婚などのライフイベントによる変化、転勤による引っ越しに加え、コロナの影響による住環境の変化も重なり、若年層の売却意向につながっている可能性があるようだ。
20〜40代の売却経験者は増えているけれど、若年層に特化した売主用のサービスは、世の中に多くない。それならば、若年層のニーズを捉え、手軽で楽しい売却経験につなげられるサービスをつくろうと考え、誕生したのがウルカモというわけだ。21年10月に構想を開始し、わずか4カ月後にリリースした。
「メインターゲットは、ライフイベントが起こりやすい30〜40代としています。従来の不動産売却サービスは50〜60代がメインターゲットであり、基本のコミュニケーションが電話だったり、訪問査定が必要だったりする。それって働く30〜40代には負担ですよね。ウルカモは、デジタル化がスタンダードである世の中の標準に合わせ、若年層にとって利便性の高い設計にしました」(山田氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング