スピンシェル社が提供するオンライン接客ツール、ライブコールは、ライブコマースの概念が浸透していなかった15年9月にリリースされ、コロナ禍で顕著に導入数が伸びているという。ドコモ、ソニー、ニトリ、ゴディバジャパンといった有名企業から、行政やクリニック、中古品の査定まで幅広い導入実績がある。
現状は1対1の接客に特化しており、ワンクリック、あるいは事前予約のうえ、手軽にオンライン接客ができる。通話中の決済や画面共有しながらのマーキングなど機能が充実しているのも特徴だ。スタッフ用の管理機能もあり、接客履歴の確認や売り上げ・データの分析、複数のリモート拠点にいるスタッフの一元管理などができる。
ライブコールの導入企業でも、分かりやすい成功事例が生まれている。20年10月に同ツールを利用したオンライン接客サービス「SWAROVSKI ONLINE APPOINTMENT(スワロフスキー・オンラインアポイントメント)」を開始したスワロフスキー・ジャパンでは、オンライン接客の購入率が約80%と高く、客単価は店舗平均の約5倍にもなるそうだ。
同社では、20年6月にリニューアルオープンした旗艦店「スワロフスキー銀座」の店内で、完全予約制のオンライン接客を実施している。銀座店ならではの世界観を体験したり、ここでしか扱っていない商品を見られたりするため、遠方客も多く利用。オンライン接客後、店舗に来店し購入にいたる例も少なくないそうだ。
「高額のジュエリーは色味や質感を伝えることが重要ですが、ライブコールは画質が最大限クリアになるようチューニングしています。当然インターネット環境に依存するので、ネット環境を整えることは必要ですが、クライアントさんから画質をほめていただくことは多いです」(酒井氏)
スワロフスキー・ジャパンのコアの客層は40〜50代だが、オンライン接客にいたっては、20〜30代の新規顧客が増加している傾向もあるという。
「オンライン接客は、リアル店舗とECサイトのほかに、もう一つ新たな店舗をオープンしたような感覚かと思います。その結果、客単価が向上する、客層が広がるといった効果が現れたのではないかと。スワロフスキー・ジャパンさまの場合、オンライン接客を受ける顧客は購入意欲が高い傾向もあったようです」(酒井氏)
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