ノートパソコン「レッツノート」を販売するパナソニックコンシューマーマーケティングでも、ライブコールの導入により成果をあげている。同社では、予約不要のオンライン接客サービス「カスタマイズレッツノート・プレミアムサロン」を21年3月から開始。
その結果、オンライン接客の購入単価は本店のWeb直販より10%以上高く、購入率も50%以上と、従来の店舗やWebでの購入に比べて非常に高いという。
「カスタマイズレッツノートは、スペックやカラー、保証など、約100万通り(22年1月現在)から顧客のニーズに沿ったカスタマイズができるのが特徴です。『カスタマイズが多すぎて選べない』『専門家に聞いて効率的に買い物をしたい』といった顧客の課題や要望に対して、会話をしながら必要な機能などを絞り込めるので、CVRが向上しやすいのだと思います」(酒井氏)
数十万円という高価格帯の製品ながら、商品の付加価値をより深く理解することで、納得感を持って買い物ができるようだ。
Web本店と比較して、女性客が増えるという予想外の効果もあった。Web本店の来店客の男女比が4:1に対し、オンライン接客は2:1に。パナソニックコンシューマーマーケティングによれば、そもそも女性客は専門家の意見を求める傾向があるようだが、そのうえで、オンライン接客のハードルの低さが女性客を呼び込んだのかもしれない。
「オンライン接客は、機材の購入、社員の教育、オンライン接客に導く導線づくりと最初こそ少し手間はかかります。ただ、一度導入すれば、手が空いている店舗の店員を有効活用でき、効率的で効果の高い接客が実現できます」(酒井氏)
ライブコールは、現在、ビジネス版の「LINE WORKS(ラインワークス)」と連携しており、自社のラインアカウントから、オンライン接客に呼び込むことも可能だ。今後、さらなる連携や複数スタッフが同時に接客できるグループ機能など新機能の導入を図るという。
ライブコマースツールは、導入するだけで効果が見込めるものではないだろう。しかし、自社の製品、サービス、顧客層にマッチしたツールを選び、課題に対するアプローチができれば、予想以上の効果が現れる可能性もありそうだ。
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