しかし、そんな「コペン」のことをダイハツは「うちのフラッグシップ」と呼びます。
20周年特別仕様車のメディア向け説明会に登場した営業担当者は「可愛くいて、可愛くてしかたない」と、何度も繰り返していました。「コペン」を誇りに思い、大切にしていることが伝わってきます。その姿を見て感じたのは「自動車メーカーにとって、スポーツカーが、いかに大切なものであるか」ということです。「コペン」を愛しく思うことは、そのまま自社製品への誇りとなり、ひるがえっては愛社精神にもつながることでしょう。対外的には、当然、「コペン」を通じて、ダイハツのファンを育て、増やす結果となります。
いわゆる、目に見えない効果があるのです。
そういう意味では、日産の「フェアレディZ」も販売の数字以上の重要度があるといえます。「フェアレディZ」は、1969年に初代が誕生し、日本だけでなく米国でも大ヒットモデルとなったスポーツカーです。しかし、90年代になって日産の業績が悪化。ルノーとの提携の下、リストラ屋であるカルロス・ゴーン氏を迎えることになりました。ゴーン氏は大胆なリストラを実施しましたが、スポーツカーである「フェアレディZ」だけは新型車開発を推進します。
そうして2002年に登場した先々代の「フェアレディZ」は、新生日産の象徴のように見えました。また、そのゴーン氏を追放し、新しく日産の経営を担うようになった現経営陣も新型「フェアレディZ」を誕生させています。日産ファンを引き寄せ、社内の一体感を醸成するには、スポーツカーである「フェアレディZ」が大きく役立ったのでしょう。
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