同じように近年のトヨタもスポーツカーに力を入れるメーカーのひとつといえます。現在のトップである豊田章男氏が就任したのは09年のこと。その時点では、トヨタのスポーツカーは、すっかり絶滅状態でした。
そこから豊田氏の下、12年に「86(現・GR86)」、19年に「GRスープラ」を復活させ、20年には「GRヤリス」を追加。気が付けば3モデルものスポーツカーをそろえるようになっています。それに伴いトヨタのイメージも、ずいぶんと変わったよう感じます。「壊れない」「コスパがよい」だけでなく、筆者的には「新しいことにチャレンジするメーカー」と見えるようにもなりました。
さらに、近年好調なマツダも、スポーツカーである「ロードスター」のイメージを上手に使っているメーカーといえるでしょう。マツダの「ロードスター」は、パワフルではないものの、「人馬一体」と呼ぶ、走りの楽しさで人気を集めています。その「人馬一体の走り」は、もともと「ロードスター」だけのキャッチフレーズでしたが、今ではマツダ車全体に使われるようになっています。なんとなく、マツダ車と聞けば、「ロードスター」のような軽快で気持ち良い走りをイメージさせるようになっているのです。これが、マツダのビジネスに好影響を与えていることは否定できません。
他にスバルもスポーツカーを上手に利用しています。それが「WRX」。強力なターボ・エンジンに4WDを組み合わせたコンパクトなセダンです。この「WRX」は特に米国の若者世代に根強いファン層が存在していると、スバルの開発陣は説明します。そして、「WRX」を卒業したユーザーが、「レガシィ」や「フォレスター」といった他車種に乗り換える流れがあるというのです。つまり、米国市場では「WRX」がスバルの入口となっているのです。そのため電動化が進む現状であっても「スバルとしてWRXをやめることはない」と断言していました。
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