6月29日の外国為替市場で、円はついに137円をつけた。1998年9月以来の24年ぶりの円安水準である。
29日にパウエルFRB議長がラガルトECB総裁らに発した「より大きな過ちは物価安定を回復できないこと」「最悪の痛みは高インフレに対処できず持続してしまうこと」という6月のFOMCを継続させるタカ派的コメントが、ドル買いを誘引した様相だ。FRB議長、欧州の中央銀行にあたるECBの総裁といった登場人物からは、さらなる金融引き締めという予想を呼び起こした。
かたや、世界の中でも超金融緩和を継続する日銀の姿勢は、どうしても対極にあって目立つ。金融引き締めの通貨は買い、超金融緩和の通貨は売り、という構図である。
欧米、特にFRBの物価安定策は、多少の景気後退や雇用への悪影響に優先した金融政策となっている。今秋の米大統領中間選挙に向けて、景気・雇用という悪影響が顕在化するようだとFRBの一方的な金融引き締め策は転機を迎えるかもしれない。ただし、日銀の超低金利緩和策の方は、まだまだ方向転換しないだろうという為替市場の読みであろう。
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政府と日銀は円安進行をどう考えているのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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