小売業のマーケティング精度を高める フェズ、インテージとのデータ連携を開始

» 2022年07月04日 21時19分 公開

 小売業界のDXを推進するフェズ(東京都千代田区)は、マーケティング支援事業を展開するインテージ(東京都千代田区)と、データの連携を開始した。マーケティングに利用するデータの網羅性と質の向上を目指す。

フェズは、インテージと各種マスターデータの連携開始を発表した(画像はイメージ)
小売業界のDXを推進するフェズと、マーケティング支援事業を展開するインテージ(出所:プレスリリース、以下同)

 複数の小売事業者と連携している、フェズ保有の「ID-POSデータ」(3月末時点で約9800万の消費者ID)と、インテージが保有する商品情報データベース(DB)を連携。これに加え、インテージが持つ全国約1200のチェーン・約10万店分の店舗情報DB「i-Store DB®」も連携する。

 小売事業者ごとに異なっていた「ID-POSデータ」の商品や店舗属性に対し、共通の属性や新たな属性を付与することによって小売事業者とメーカー双方がマーケティングで活用しやすいデータ基盤を構築するという。

連携イメージ

 小売業界では、小売事業者が消費者への商品販売を記録したPOSデータや、顧客ごとの購買履歴を記録したID-POSデータなどを指す「リテールデータ」の活用の幅が広がりつつある。こうしたリテールデータは小売事業者やメーカーのDXにもつながるなど、データの重要度が増している。

 フェズは、複数の小売事業者とパートナーシップを組み、マーケティング支援を展開している。これに対しインテージは、業界スタンダードとなる市場統計サービスを展開し、多様な分析視点を企業に提供。マーケティング戦略や施策の検討・立案を支援している。

 小売業界に精通した多様なデータを保有している両社が連携することで、各種ビッグデータを網羅的に利用し、小売事業者やメーカーと実行するマーケティング施策の精度をより高められるという。

 フェズの川崎貴大開発本部プロダクト・戦略企画部部長は、「両社の強みを掛け合わせることで、小売業・メーカーに提供できる価値が飛躍的に向上できる可能性がある」とコメント。 インテージの越後谷正明カスタマー・ビジネス・ドライブ本部事業デザイン部グループリーダーは、「小売業とメーカーのショッパーマーケティングにおける協創において 『共通言語』となる機能を提供できると確信している」と話している。

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