#SHIFT

モデル化して考えるとはどういうことか──物事の仕組みを単純化してつかめ物事を類型化(1/4 ページ)

» 2022年07月06日 08時00分 公開
[村山昇INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:村山昇(むらやま・のぼる)

 キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行なう。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。


 モデル(model)とは模型を意味します。その字のごとく、「実物を模して(=真似て)形にしたもの」です。世の中で起こる事象や経験をそのままとらえるには複雑すぎることがよくあります。また、目に見えなかったりするので、他者と共有することが難しいことも多い。そんなとき、物事の構造や仕組み、関係性などを単純化して表し、とらえやすくすること。それが「モデル化」です(下図)。

 モデル化して考えるというと少し難しいことをやっているように感じますが、私たちはふだんの仕事現場でよくやっています。

 例えば、売り上げがなかなか上がらない状況に接しているとき、漫然と対策を考えるのではなく、売上げをつくる要因をツリー化して押さえ、どこに重点的に手を打つか議論します。そのツリー図起こしがモデル化して考えるということです(下図)。

 同様に、生産性を上げようとするとき、工程を分けてながめ、そこにある因果関係を取り出して適切な対応策を考えます。そういった全体をプロセスに分ける、因果関係を押さえるというのもモデル化です。また、市場参入するときに市場を4象限マップでとらえたり、儲ける仕組みを発明したりするビジネスモデル構築もモデル化です。

 私たちは具体次元であれこれ起こる事象に振り回されます。すると往々にして、思いつきで手を打ったり、対症療法的な処理をするだけでその場しのぎをしたりします。しかしそんなときこそ、抽象次元に上がって状況を構造的にとらえ、図化してとらえる必要があります。

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