KDDI高橋社長の緊急会見 「賞賛」と「炎上」の分かれ道はどこにあったのか危機管理広報のプロに聞く(1/3 ページ)

» 2022年07月07日 06時30分 公開
[濱川太一ITmedia]

 大規模な通信障害を起こした通信大手のKDDI。総務省に早期の情報公開を促されて記者会見を開くなど、初動の遅れに批判が集まった一方で、会見で見せた高橋誠社長の説明にはネットユーザーを中心に評価の声が上がる。KDDIの緊急会見から、企業が教訓として学べることは何なのか。危機管理広報の専門家に話を聞いた。

7月2日未明に大規模な通信障害を起こしたKDDI。5日に86時間ぶりに全面復旧した(ゲッティイメージズ)

 「説明が分かりやすく、下任せにせず自身が指揮を執って問題を解決しようとしているところが伝わり、会見としては非常に良かった」

 こう話すのは、企業広報・危機管理コンサルティングを手掛けるエイレックス(東京都港区)副社長の平野日出木氏だ。情報開示の姿勢の高さや、技術面の細部まで理解した説明、状況をすべて把握した上で会見を進めるトップの姿勢は「一般の生活者に安心感を与えた」と平野氏は指摘する。

会見のタイミングに集まった批判

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