警察庁、安倍元首相暗殺事件の検証チーム設置 要人警護の在り方に影響か

» 2022年07月12日 20時50分 公開
[ITmedia]

 安倍元首相が奈良県内で演説中に暗殺された事件を巡り、二之湯智国家公安委員長は7月12日の会見で警察庁に事件の検証チームを立ち上げたことを明らかにした。設置の理由を二之湯委員長は「警察庁から今回の警護警備には問題があったとの報告を受けたため」としている。検証結果が大手企業などの経営者層の警護警備に、今後影響を与える可能性がある。

photo 警察庁が入る庁舎

 二之湯委員長は暗殺事件について「要人の警護警備に責任を持つ警察を所管する大臣として、非常に重く受け止めている」とし「警察を管理する国家公安委員会として、このような重大な事案が二度と起こることのないよう、しっかりとした検証を行うとともに、警護警備の強化に向けた見直しを図るよう、警察庁を指導してまいりたい」と述べた。

photo 二之湯国家公安委員長(出典:首相官邸公式Webサイト)

 報道陣からは二之湯氏自身の進退に関する質問が出た。二之湯委員長は「まずは警察庁が重大な結果を招いた今回の警護警備の問題点を早急に洗い出し、具体的な対策を講じていくよう、指導していくことが重要だと認識している」との見解を示すにとどめ、具体的な明言を避けた。

 検証チームの具体的な体制などは今後、決めていく方針。

 警察庁の調査によると、日本国内の警備業者数は1万359社、警備員数は58万9938人(ともに2021年12月時点)だという。

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