猛暑が続き、政府が企業などに節電を要請する中、ダイキン工業が「電気代を抑えながら 快適に過ごすエアコンの上手な使い方」と称し、エアコンの節電方法をPRしている。
同社は、冷たい空気は下にとどまる性質があることから、エアコンの風向きを「水平」に設定することを推奨している。冷房運転時に、天井側が熱く、床側が冷たいといった「温度ムラ」があった場合、エアコン側が「室内はまだ設定温度に達していない」と判断するケースがあるという。このため「床付近は十分涼しくなっても、必要以上に運転してしまうことがある」(ダイキン)と指摘している。
扇風機や空気清浄機で空気を撹拌(かくはん)することも有効だといい「温度ムラは、快適性の低下だけでなく、電気代の増加にもつながる。エアコンの風向を水平にしたり、したりするなど、温度ムラを抑える工夫をしましょう」(同)と呼び掛けている。
エアコンの温度設定を下げる前に、風を自分の方に向けたり、風量を一時的に強くすることも推奨している。同社は「体感温度が下がり、同じ温度でも涼しく感じる」とした上で「実は、エアコンで消費する電力のほとんどは、温度を下げる時に使われる。風量を強くすると少しだけ消費電力は増えるが、 温度を下げる時に消費する電力と比べると、その増加は僅か」と解説している。
また、室温が大きく変化する際に消費電力が増加するとして、30分程度の外出時にエアコンを「つけっぱなし」にすることや、2週間に1度程度エアコンのフィルターを掃除することなどを推奨している。
資源エネルギー庁のデータ(「エネルギー白書2011」)によると、東京電力管内の場合、平日の午後2時が最も電力使用量が多い時間帯だという。業種別と用途別で電力使用量を推計したところ、「オフィスビル」(40%)、「空調」(48%)という結果が出た。コロナ禍で近年は在宅勤務が普及しているため、オフィスワーカーだけでなく、在宅ワーカーも含め、空調の電力使用量を削減することが大きな節電につながる。
暑さ対策を巡っては、ソニーの「着るエアコン」(「REON POCKET 3」)の売れ行きが好調なほか、スリーアール(福岡市)が繰り返し使えるネッククーラー「ひえリング」の予約販売を開始している。厚労省も熱中症リスクが高まるとして、近距離での会話時を除き、屋外でのマスク着用を控えるよう注意喚起を出している。
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