課題や可能性を考えてみたが、現時点ではメタバース上での発表会はなしだ。Zoomなどのオンライン取材に比べても、仕事として使えるクオリティや信頼性を担保できていないというのが理由の1つ。オンライン発表会であっても、音声のバックアップ回線として電話回線を用意している場合がたまにある。信頼性という意味では、枯れたテクノロジーのほうが優秀なのだ。
一方で可能性も感じる。特にVRゴーグルやアバターのクオリティが大幅にアップして、実物と見分けがつかないところまで進化したら、普通に使う日も来るかもしれない。しかも、それを阻むのは基本的には演算性能で、画期的なブレイクスルーが起きなくても技術の順当な進化によって可能になりそうだ。
最後に、メタバース普及のキラーアプリは何か? という問に対するアクセンチュア山根氏の回答を。「デジタルアセットの価値がより上がって、個人がメタバース連続体の中で力をつけていく中で、企業がどうやって個人に追随していくか。企業が(メタバースを)どう使ってやろうか? という形ではもはやない」
これをどう捉えるか。MMD研究所によると、4月時点でのメタバース経験者はわずか5.1%。一般ユーザーがメタバースに夢中というよりも、「メタバースを活用しなければ!」と企業が躍起になっているようにも感じるのだが、どうだろうか。
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