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アウディが仕掛けるEVとSDGs戦略 次世代パワートレインはEVで確定BEVで勝負(6/6 ページ)

» 2022年07月15日 05時00分 公開
[武田信晃ITmedia]
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EVでも個性があるアウディの走り

 もしBEVがICEと同じ感覚で運転でき、充電もストレスなくできるのであれば、あとは商品ラインアップと車自体の商品力の勝負になる。アウディは、日本では20年に同社初の電気自動車「Audi e-tron Sportback」を発売し、その後、SUV版も投入した。

 21年には4ドアクーペの「Audi e-tron GT」を上陸させ、22年には「Audi Q4 e-tron」の販売が予定されている。SportbackやGTの価格は1000万円超えの一方、Audi Q4 e-tronはコンパクトSUVで、価格も599万円からと求めやすくしている。

 今回のツアーでは、SUV型の「Audi e-tron Sportback」と「Audi e-tron GT」を試乗した。電気自動車らしく、アクセルを踏めばその分だけリニアが加速していく力強さがある。EVの走りには個性がないといわれがちだが、それぞれの車両に異なった味付けをしており、走る楽しみも想像以上に味わえる車に仕上がっていた。

 日本人とドイツ人のハーフであるシェーパース氏の語り口はソフトだが、強いリーダーシップを感じさせる。日本人は手ごろな価格であれば、ミーハー気質を出して新しいものを手に入れたがる。ただ、大きな買い物となると石橋をたたいて渡る性格だ。

 現時点で日本人がBEVに慎重になる理由の一つには、SDGsが重要だと頭で分かってはいても、今はBEVがICEよりも不便だと感じている点がある。シェーパース氏は日本と欧州の人々の両方の性格を理解しているだけに、今後は日本人がBEVに感じている不安を取りのぞけるかに、手腕が求められるだろう。

photo アウディは真庭市に急速充電器を寄贈した
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