通信料金と端末代金の完全分離に関しては、端末割引の「上限2万円」規制の違反が指摘されている。覆面調査を実施した結果、改善傾向にはあるものの、現在でも違反と判断される事例が確認された。
例えば、端末のみを求めるユーザーに対し、「(通信契約との)セット販売用の在庫であり、単体販売用の在庫はない」といった説明をする、などだ。販売拒否の手法が巧妙化していると指摘している。一方、他キャリアユーザーに対する端末購入プログラム提供拒否については、各社とも少数に留まっているとしている。
上限2万円規制を徹底させる対策として、単体購入用とセット購入用での在庫区分や、区分を理由とした販売拒否を行わないこと、ユーザーが十分に認知できるように、店頭のポスターなどで、在庫が分かれていないこと、端末単体購入価格を明示することを求めている。
またキャリアにも、販売店とそのスタッフに対して教育・研究・指導を徹底・強化すること、販売代理店に対する手数料・販売奨励金や評価指標が、上限2万円規制の違反を助長するような形となっていないか、継続的な見直しを実施することを求めている。
上限2万円規制の違反を助長するような設定がされている場合は、「業務改善命令の対象となり得る旨を、ガイドラインにおいて明確化することが適当」とも指摘している。
上限2万円の割引規制については、新しい通信規格への移行を促すために、ユーザーに新規格に対応した端末に買い換えてもらう場合(マイグレーション)、あるいは不良在庫を減らすためなど、2万円以上の割引を可能とする特例も設けられている。
7月上旬にはこの特例を悪用した「マイグレ風」と呼ばれる詐欺事件も報じられた。今後もソフトバンクでは24年1月、ドコモでは26年3月末に3Gサービス終了が控えており、こうした事件が再び起こる可能性がある。報告書では、特例の適用状況についても確認を行っていくことが適当としている。
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