ネッククーラーの1番のセールスポイントは、他の熱中症対策アイテムと異なり、冷たさが続くということだ。それを可能にするペルチェ素子の冷却性能と放熱性能は比例するため、熱くなる面をいかに冷却できるかが、冷却性能の良しあしに直結する。つまり、冷たさを維持するには放熱機能が不可欠であり、そのためには送風し続ける必要があるのだ。
そこで、19年に発売した「ネッククーラーmini」には、冷却部分にファンを搭載。外気温−13℃と冷却機能も向上し、約1万8000台を売り上げた。20年には「ネッククーラーNeo」を発売。ファンを1つにすることで静音性を高めつつ、外気温−15℃をキープした。
また、冷たさのレベルもそれまでの強・弱に、新しく「ゆらぎ」を追加。ずっと冷たいと感覚がまひするため、ゆらぎモードで強弱を行ったり来たりし長時間付け続けても負担が重くならないようにした。Neoは23万台を売り上げ最初のヒットとなり、ネッククーラーの存在感を世に知らしめるきっかけとなった。
21年には「ネッククーラーEvo」を発売。外気温−15℃は「ネッククーラーNeo」と同様だが、モバイルバッテリーを内蔵し、コードレスで使えるようにした。「ペルチェ素子は電気をあまり使いません。そこに着目し、コードレスタイプにしました」(えきさん)。コードレスになったことは、思わぬところからの反響を呼んだ。仕事中にも使いやすいと、熱中症対策アイテムとして現場仕事の人からの人気が急増したのだ。その結果、47万台を売り上げた。
今年は2種類のネッククーラーを発売。「ネッククーラーSlim」(6月末時点での売り上げは11万5000台)は、髪をファンに巻き込まないように外側にカバーを付けた他、付け心地を良くするため、重心が前になるようバッテリーの形状を見直したという。また、デザイン性にもこだわり、人気ドラマの小道具としても使われた。
試着してみたところ、ファンの音は多少するものの気にならない程度だった。また、電源を入れて数秒で冷たくなるので、暑い時にすぐ使用可能。外側のカバーのおかげで、髪やイヤフォンが巻き込まれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング