人気拡大中のネッククーラー 誕生のきっかけは、暑いときの“ある行動”節電や現場仕事でも重宝(2/4 ページ)

» 2022年07月29日 07時15分 公開
[菊地央里子ITmedia]

缶ジュース並みに冷たくしよう

 そもそもネッククーラーが冷たくなる理由は、ペルチェ素子という半導体素子にある。ペルチェ素子は、ある方向に電流を流すと、素子の片面で吸熱=冷却し、もう片面で発熱=加熱する特徴がある。しかも、ペルチェ素子を用いた冷却装置は体積が小さく、騒音や振動が発生しない。

クーラー 初代ネッククーラー「こりゃひえ〜る」(公式Webサイトより引用)

 「弊社が初めて販売した初代ネッククーラーは、このペルチェ素子を用いた冷やす部分が1つのタイプでした」(えきさん)。開発にはペルチェ素子を使用していた同社のワインクーラーやミニ冷蔵庫の仕組みを応用したのだという。

 おでこや首の後ろなど冷やしたい部分に当て、クリップやバンドでとめる仕組み。「こりゃひえ〜る」というユニークな商品名と、外気温−10℃まで下がり、かつ冷たさが持続することから、用意していた2000個は完売。社内でも「これは売れるのでは?」という雰囲気になったという。

クーラー 用意していた2000個は完売(公式Webサイトより引用)

 そこで、17〜18年に発売したのが「ネック冷却クーラー&温めウォーマー」だ。ペルチェ素子を1つから2つに増やし、形状は今のヘッドホンタイプとほぼ同じものになった。また、冷却機能はそのままに、ペルチェ素子のもう1つの特徴である「発熱」を活用しあたためる機能を追加し1年中使用可能とした。「こりゃひえ〜る」の2.5倍である約5000個売り上げたが、半面、課題もいくつか見つかったという。

 まずは、大きさだ。「かなりごつい見た目だったので、外で付けて歩くにはしんどいし、ちょっと不便だという声を多くいただきました」(えきさん)。また、新規で追加したあたため機能についても、マフラーやコートがあるのでいらないという結論に至った。ここから冷却機能の向上と、小型化への取り組みが始まった。

クーラー ネック冷却クーラー&温めウォーマー

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