中国政府が超高層ビルの建設を規制するのは、そのほとんどが必要だからではなく、「虚栄心を満たす」ために建てられているからだ。
人口や企業が多く、土地が不足する北京や上海、深センならともかく、建設ラッシュは土地に余裕がある地方都市に広がっている。20年の規制前は、中国で最も高い「上海タワー」を数メートルだけ上回る建築物の計画も相次いだ。
実用性への疑問に加え、経済性や安全性の面でも批判されている。
21年5月、深セン市で高さ約350メートル、75階建ての高層ビルが突然揺れ出し、大勢の買い物客が避難する騒動が起きた。中国政府はその半年後に高層建築物規制を強化した。
超高層ビルは避難フロア、エレベーター、防火設備など安全性を確保するコストが高いだけでなく、電力などエネルギーの消費量も大きく、最近のトレンドにも逆行する。
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