地方の「超高層ビルマウント」に習政権激怒、500メートル以上のビル建設禁止に浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(3/5 ページ)

» 2022年08月04日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

500メートルすれすれのビルが次々建設

 経済成長が続く中国では、2010年代に超高層ビルが続々と建てられた。

 国際NPOの高層ビル・都市居住協議会によると、高さ500メートル以上のビルは世界に10棟あるが、うち5棟が中国本土に立地する。トップ100に広げても、49棟を中国(香港含む)が占める。

世界で最も高い高層ビルトップ10(出典:高層ビル・都市居住協議会、Tallest Buildingsを加工)

 北京青年報の報道によると、中国には高さ150メートル以上のビルが2581棟、200メートル以上の超高層建築物が861棟。

 ちなみに日本で最も高いビルはあべのハルカス(大阪)で300メートル。200メートルだと東京・大手町の読売新聞ビルなど複数ある。

 中国の超高層ビルの建設ラッシュは止む気配がなく、同メディアは「22年に建設中の世界の超高層ビル上位25棟のうち20棟が中国」とも指摘する。そしてそれらの多くは、500メートル規制すれすれの高さとなっている。

 25年に完成予定の「緑地金茂国際金融中心」(南京)は高さ499.8メートル、地上104階。「蘇州中南中心」(蘇州)は高さ499.15メートル、地上103階、地下6階。

 そして28年完成予定の「河西魚嘴金融中心」(南京)は498.8メートル。実はこれらのビルの大半は、20年の「500メートル規制」を受けて、建築の途中で高さを削ることになった。蘇州中南中心は着工時には中国一高い729メートルのビルを目指していた。

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