0円廃止で契約数22万減少の楽天モバイル 「我々にとって優良なユーザーに変えていく」房野麻子の「モバイルチェック」(4/4 ページ)

» 2022年08月15日 14時50分 公開
[房野麻子ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

楽天エコシステムへの利益貢献度の高さを強調

 楽天モバイルは23年中の単月黒字を目指しているが、料金を払ってくれる有料(優良)顧客は、楽天エコシステムにも大きなプラス影響を与える。

 楽天市場における1人当たりの平均月間流通総額は、楽天モバイルユーザーの方が非ユーザーよりも40%高いという。楽天モバイルの契約者数が1200万になると、楽天市場の流通総額は約15%アップすると期待する。また楽天モバイル契約者のうち、約2割は楽天エコシステムの新規ユーザーとなって複数のサービスを利用するなど、楽天エコシステムの拡大に貢献している。モバイルのユーザーがグループ内のサービスを利用して互いにシナジーを生むというのは他キャリアも同様。それだけに、顧客基盤となるユーザーの獲得は重要だ。

楽天モバイルのユーザーは楽天エコシステムの拡大に貢献。契約者数が1200万になれば、楽天市場の流通総額が15%アップすると試算

 ただ、楽天モバイル単体で業績をアップさせるにはARPUを上げる必要がある。三木谷氏は「将来的にはARPUベースで1000円を超えるところまで持って行けると思っている」と話した。ARPUを上げるには、コンテンツやサービスの利用、データ利用量をさらに増やさなくてはならない。5Gユーザーは4Gユーザーの2倍以上のデータ通信を利用するという調査結果がある。ARPUを上げていくために、今後は5Gの展開も重要になってくるだろう。

筆者プロフィール:房野麻子

大学卒業後、新卒で某百貨店に就職。その後、出版社に転職。男性向けモノ情報誌、携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年にフリーランスライターとして独立。モバイル業界を中心に取材し、『ITmedia Mobile』などのWeb媒体や雑誌で執筆活動を行っている。最近は『ITmedia ビジネスオンライン』にて人事・総務系ジャンルにもチャレンジしている。


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.