――形も通常のおにぎりと違って四角いですが、こだわりがあるのでしょうか?
中村: 実は、小さな子どもは三角おにぎりを食べるのが苦手で、先端から食べ始めると最後には二つに割れてしまいがちです。そこで、親が適度に割ってシェアしやすい形がいいのではと思い、四角形にしました。
それと、三角おにぎりは定番なので『石井のおにぎりは四角なんやぞ』と、皆さんに覚えていただければと思っています。
――発売後の反響はどうですか?
池田: 今回は、テスト販売も想定して、主に当社のECサイトをメイン販路として展開しました。初動は計画通りに進んでいます。SNS上などでの反響を見ると、タンパク質に関心が高い方からの反応は特に多かったです。
また、佰食屋さんのステーキ丼がおにぎりで食べられる点も、多くの方に支持していただいたようです。当社は、ミートボールやチキンハンバーグなど鶏肉を主に加工している会社なので、ステーキ丼の味を再現すること自体が挑戦でした。
坂本: いずれは大量生産も考えています。当初、中村さんとは「年間売上1億個を目指そうね」と話をしていました。ノウハウをもっと蓄積して、他社を突き放すほどの技術やおいしさを追求したいと思っています。100日保存もまだ満足していません! 次の施策を考えて展開していきたいと思います。
中村: 企画した段階では、飲食店が提供する料理のおいしさをもっと身近に感じてほしいと思っていました。コロナ禍で飲食業界は本当に大きなダメージを受け、物販を第二の収益の柱にと多くの企業が試行錯誤しています。そんな中、上場企業が京都のたった10坪の1店舗しかない飲食店とコラボをして商品を開発してくれたことは、世の中の小さな飲食店の希望になるのではと思っています。
坂本: 当社も今回中村さんと協業できて非常に参考になりました。一番学んだのがスピード感ですね。「遅かったらあかんねん! 走らないとあかんねん!」って(笑)。冗談ではなく、「思い立ったらすぐやる。アクションに移す」という姿勢は勉強になりました。
【記者メモ】
湯煎後、封を開けずに保管した場合は48時間までおいしく食べられるという。出勤前に湯煎してサッと会社に行く、あるいは登山や旅行前に……そんな活用方法も想定しているのだとか。イシイの佰にぎりは具材もアイデアもたっぷり詰まった商品だっだ。
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